速いタンギングができない(その1) [トレーニング]
楽器の音の切り方には色々な奏法があります。
その中で一番良く使われるのが「タンギング」です。
舌(tougue)で音を切るのでタンギングと言います。(多分)
ロングトーンと同じ様に楽器を鳴らしておき、舌でリードの振動を止める事で音を瞬間的に止るのがタンギングです。
タンギングが苦手な人の原因で一番多いのが「力の入れ過ぎ」です。
顎、喉等アンブシュア周りの筋肉に力が入り過ぎて舌が硬直して動かないのです。
この様な方がタンギングの練習ばかりしても上手になる可能性は非常に少ないと言えます。
まずはアンブシュアの力を抜く事から始めなければなりません。
アンブシュアに力が入る原因として考えられるのは「その人に取ってリードが堅過ぎる」場合と「ブレスが弱い」場合が多く、その両方の場合も少なくありません。
いつも下唇が痛かったり切れる様でしたら明らかに力の入れ過ぎです。
もし大きく口を開けた時に顎が痛い場合は顎関節症になっている可能性もあります。
病院に行って検査(必要があれば治療)してもらい早急に奏法を改善しなければ大好きなSaxが吹けなくなる事もあります。
是非注意して下さい。
この様な場合は柔らかなリードに変えて下さい。
力が入っている人が柔らかなリードで吹くとマウスピースにリードがくっ付いて音が出なかったり、音がビービー汚くなったり、高い音が低くなったり(出なかったり)します。
標準のマウスピースを使っている場合は2半の堅さのリードで低音から高音迄奇麗な音でロングトーンが出来る様になる迄が目安です。
アンブシュアのコントロールで半音程度音程が変えられれば完璧です。
標準のマウスピースに2半以下の堅さのリードを付けても(アンブシュアに力を入れなければ)音が出ないとしたらブレスが弱い可能性が高いです。
この様な場合はブレス・トレーニングをしなければなりません。
良くブレス・トレーニングとして腹筋運動をしている光景を見かけますが、腹筋運動ではブレスは鍛えられません。
ただ楽器を吹く為には下半身の支えは大切ですので腹筋運動は必要です。しかも、Saxは身体の前で構えますので楽器を支える為には背筋も鍛えておく必要があります。
腹筋以上に背筋を鍛えて下さい。
ブレスを鍛える為にはブレス・トレーニングが必要なのですがこれは別の機会に改めてお話させて戴きます。
「それじゃ〜困る」と言う人はスウィング・ガールズと言う映画で使われた練習方法を真似して下さい。
ブレスと言うと多くの方が息を吐く事ばかりに気持ちが向くのですがしっかりと吐く為にはたっぷりと息を吸わなければなりません。
空っぽのペットボトル(1リットル以上)を口に加えぺちゃんこになるまで息を吸う練習はこのトレーニングとして分かり易く効果もある練習です。
ブレス・コントロールが出来ない人がたっぷり息を吸うと息を吐く時にお腹で支えられず一気に息が出てしまいます。
楽器に入る息には限度があります。このままでは演奏出来ません。
これを止める為に堅いリードを付け、更にリードに圧力を加えて(マウスピースとリードの隙間を狭くして)抵抗を大きくしてコントロールしている人も良く見かけます。
しかし、これもあまり良い方法ではありません。
ブレス・トレーニングとしてはガラス窓にティッシュ・ペーパーを当て、そこに息を吹きかけて落ちない様にする練習が効果があります。
この時長く息を続ける様に練習すると効果的です。
私の駄文で良く分からない人は是非スウィング・ガールズを観てみて下さい。
アンブシュアの力が抜けブレスが鍛えられたところでタンギングの練習です。
速いタンギングができない(その2)を読んでみて下さい。
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