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毎日の練習時間 [トレーニング]

「毎日何時間位練習すれば上手になりかすか?」
こんな質問を良く受けます。

練習は量より質です。
無駄な練習を何時間もしても意味がありません。

成長期の子供の場合は3時間以内に収めるべきです。

成長期の子供達はまだ身体が出来ていませんので長時間身体に負担をかける事はトラブルの元ですし、過度な練習は骨格や筋肉の成長を妨げる可能性もあります。
音楽が好きで才能溢れる子供達が必要の無い怪我やトラブルで楽器を諦めなくても良い様にする為にも、将来素晴らしい音楽を聴かせてくれる音楽家に育てる為にも、仕事や家庭を持っても音楽を楽しんでもらう為にも成長期の子供達を指導する人は健康管理に気を使わなければなりません。

ですから中学校の吹奏楽部を指導する場合は「3時間の中でどれだけ密度の濃い練習が出来るか」が指導者の腕の見せ所となります。
周りの人達も「コンクールで勝った(負けた)」で指導法を評価するのではなく、卒業生がどれだけ音楽を続けているか、卒業生の中からどれだけプロが育っているかで評価して戴きたいと思います。


では大人の場合はどうでしょう?
一番多いのが「練習時間が確保出来ない。」と言う悩みでしょう。
でもこれは「楽器を吹くのが練習」と考えるから時間が作れないのです。

楽器を吹く為には「ブレス・トレーニング」「フィンガー・トレーニング」等継続的に続けなければならない練習が沢山あります。
また「アンブシュア」「タンギング」等楽器を吹く時には中々気を使えなかったり、楽器を吹くとフォームが崩れ易い物も沢山有ります。

これらの多くは楽器を吹かなくてもトレーニングできますし、一部は楽器を吹かない時の方が効果があります。
CDやコンサート&ライブ等で良い音を聴くのも練習になりますし、レッスンを録音したものを聞き返すのも練習になります。

こうして実際に楽器を吹く時の身体の動きや曲のイメージを前もって作っておく事で楽器を吹いた時の練習を効率よく行う事ができる様になります。
この様な練習なら工夫すれば毎日出来るはずです。


幸せにも練習時間が取れる人でも30歳を過ぎた人の場合は休養も練習の中に取り入れる事をお勧めします。
成長期が終わり身体が出来上がった大人の場合は疲れて吹けなくなったり、口や指等楽器に関係した場所に痛みがなければ時間が許す限り練習しても問題ないと思います。

しかし、練習をすれば筋肉は傷みます。
楽器の練習や運動をした後に筋肉が熱を持つのはこの為です。
若い頃は一晩寝れば筋肉は修復され翌日には強い筋肉として再生されるのですが、30歳を過ぎた辺りから(個人差はあります)そうは行かなくなってきます。

必要に応じて筋育を休めて回復する時間を作ってあげなければなりません。
スポーツ・トレーナーやスポーツ・ドクターの話では4日サイクルが理想の様です。
野球のピッチャーの登板間隔が4日なのもこの為だと言っていました。

楽器の場合は次の様な感じになるでしょう。

1日目:基礎練習&フォーム作り
2日目:ややハードな練習
3日目:ハードな練習(特に鍛えたい動き)
4日目:休養

普段からストレッチングをする様にするのも大切ですし、練習中も疲れたら5分程度休むのも大切です。
また、休養の時に楽器では余り使わない筋肉を意識的にトレーニングするのも身体のバランスを維持する為には大切ですし、休養の時に筋肉の炎症を抑える治療をしたり筋肉に栄養を与えたりするのも効果があります。
そして休養時間は(長くても)48時間以内にするのもポイントだそうです。
そうしないと折角鍛えた筋肉が元に戻ってしまうそうです。


楽器演奏はスポーツだと思って下さい。
若い人でも油断は禁物です。
ハードな練習を続けて身体が疲れている時は休養を取る様にして下さい。


つまり「毎日○○時間練習すれば良い(上手くなる)」と言う様に単純な事ではないのです。
「長い時間練習すれば上手く」なるとか「毎日休み無く練習すれば上手くなる」と言うのは明らかに間違いです。

ただ、体力を付ける為に長時間吹く練習と言うのも必要です。
これは細心の注意を払って行い翌日は休養にするのが良いでしょう。

自分に合った練習方法を見付ける為には専門の知識を持った先生に習うのが良いと思います。
そう言う先生が近くに居ない場合はスポーツジムに通ったりスポーツ・トレーニング関係の本を読むのも参考になると思います。


練習は「根性」では無く「科学的」に行う方が効果があります。
時々本番前に心身共に疲れ切ってしまい力が発揮出来ない人がいます。
練習は効率よく行い「根性」は本番に取って置けば良いのです。

時間で考えるのはヤメましょう!

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速いタンギングができない(その2) [トレーニング]

速いタンギングができない(その1)は読んで頂けたでしょうか?
では続きです。

アンブシュアの余計な力が抜けたところでやっとタンギングのトレーニングなのですが、今回は速いタンギングが出来ない場合のトレーニングですので更に無駄な動きが無いかチェックしてみましょう。

タンギングの無駄な動きで多いのが顎の動きとブレスの動きです。
ゆっくりしたタンギングや音にニュアンスを付けながら行うタンギングの場合は顎の動きやブレス・コントロールも併用するのですが、これらを上手にコントロールする為にも(まずは)無駄な動きが少ないシンプルなタンギングを身につける事は大切です。

顎の余計な動きで一番多いのが”噛む様な動き”です。
音を止めたい時に顎でリードに圧力を加えリードをマウスピースに圧着させて音を止める様な吹き方をしている方を非常に多く見かけます。
この様な吹き方をしている人は音の出だしに「キュッキュッ」と音がしたりタンギングの時にリードミスをする事が多くなります。
タンギングも歯切れが悪くなりますし、顎は速い動きに付いて来られないので速いテンポにも対応出来ません。


顎の余計な動きと同じ位多いのが音を止める時に息も止めてしまう吹き方です。
完全には止めていなくても「フッフッ」と音を切る度に息を吹き込む様になる方も多く、これも速いテンポには対応できません。


タンギングの練習に向いているのがレガート・タンギングです。
レガート・タンギングは(聴こえ方が)非常に柔らかく、音を止める時間が非常に短いタンギングです。
舌の素早い動きが必要な上(音を止めている時間が短いので)顎やブレス等の余計な動きも把握し易くなります。

スタカートの方が派手で目立つ為か、難しいと思っている方が多い様ですが、技術的にはレガート・タンギングの方が遥かに難しいのです。
レガート・タンギングが出来ればスタカートはすぐに出来る様になります。


ではレガート・タンギングの練習方法の一例をお教えしましょう!

まず楽な音量(mf)でロングトーンをしましょう。
音を出すときのタンギングは必要ありません。息の音からクレシェンドする様に音を出します。
音はシ(左人差指)の音から始めると良いと思います。

アンブシュアに力が入っていない事を確認ながらロングトーンをし、音を出しながら1回リードを舐める様に素早く舌で触ってみます。
舌を動かす時「ル」の発音を意識すると良い事が多い様です。
「フーーーーーールーーーーーーーー」と書くとイメージが湧くでしょうか?

レガート・タンギングの場合はリードの振動をしっかり止める必要がないのでリードに舌が触るか触らないかと言う感じです。
上手く行けば音が途切れる事無く(音に印を付ける様な)柔らかなレガート・タンギングが出来るはずです。
最初は舌がリードに当たらず”空振り”する事も多いかもしれませんが、余計な力が入るよりは”空振り”の方が良いと思います。


タンギングの際顎で圧力をかける癖がある人は「舌を動かそう」と思った時から顎に力が入り音が詰まって行きます。
酷い場合は音が止まってしまう事もあります。
また、タンギングの際ブレスをコントロールしてしまう癖がある人はタンギングをしようとした際息が止まってしまったり、タンギングが出来なくなってしまいます。

後は出来る様になる迄何度も練習するしかありません。
この時(前述していない事で)大切なのはタンギングは1回だけにする事です。
連続して「ルルルル」とタンギングしてしまうとすぐにいつもの癖が出てしまいますし、その癖が出ている事も把握が難しくなります。
最初は1回だけレガート・タンギングを「決める」事に集中しましょう。

これが出来る様になったら「シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ」と練習する管体を長くして行きます。
そしてオクターブ・キーを押し「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」と上がって行きます。

この時も1回だけレガート・タンギングを「決める」事に集中しましょう。


これが出来る様になったら1回のタイミングで2回レガート・タンギングをしてみます。
「フーーーーーールルーーーーーーーー」と書くとイメージが湧くでしょうか?

これからは1回のタイミングでするタンギングの回数を増やして行きます。
「フーーーーーールルルーーーーーーーー」
「フーーーーーールルルルーーーーーーーー」
「フーーーーーールルルルルーーーーーーーー」と言う感じです。

これを続けて行く事(数ヶ月)でタンギングは確実に速くなって行くはずです。




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速いタンギングができない(その1) [トレーニング]

楽器の音の切り方には色々な奏法があります。
その中で一番良く使われるのが「タンギング」です。

舌(tougue)で音を切るのでタンギングと言います。(多分)
ロングトーンと同じ様に楽器を鳴らしておき、舌でリードの振動を止める事で音を瞬間的に止るのがタンギングです。


タンギングが苦手な人の原因で一番多いのが「力の入れ過ぎ」です。
顎、喉等アンブシュア周りの筋肉に力が入り過ぎて舌が硬直して動かないのです。

この様な方がタンギングの練習ばかりしても上手になる可能性は非常に少ないと言えます。
まずはアンブシュアの力を抜く事から始めなければなりません。

アンブシュアに力が入る原因として考えられるのは「その人に取ってリードが堅過ぎる」場合と「ブレスが弱い」場合が多く、その両方の場合も少なくありません。


いつも下唇が痛かったり切れる様でしたら明らかに力の入れ過ぎです。
もし大きく口を開けた時に顎が痛い場合は顎関節症になっている可能性もあります。
病院に行って検査(必要があれば治療)してもらい早急に奏法を改善しなければ大好きなSaxが吹けなくなる事もあります。
是非注意して下さい。

この様な場合は柔らかなリードに変えて下さい。
力が入っている人が柔らかなリードで吹くとマウスピースにリードがくっ付いて音が出なかったり、音がビービー汚くなったり、高い音が低くなったり(出なかったり)します。
標準のマウスピースを使っている場合は2半の堅さのリードで低音から高音迄奇麗な音でロングトーンが出来る様になる迄が目安です。
アンブシュアのコントロールで半音程度音程が変えられれば完璧です。



標準のマウスピースに2半以下の堅さのリードを付けても(アンブシュアに力を入れなければ)音が出ないとしたらブレスが弱い可能性が高いです。
この様な場合はブレス・トレーニングをしなければなりません。

良くブレス・トレーニングとして腹筋運動をしている光景を見かけますが、腹筋運動ではブレスは鍛えられません。
ただ楽器を吹く為には下半身の支えは大切ですので腹筋運動は必要です。しかも、Saxは身体の前で構えますので楽器を支える為には背筋も鍛えておく必要があります。
腹筋以上に背筋を鍛えて下さい。

ブレスを鍛える為にはブレス・トレーニングが必要なのですがこれは別の機会に改めてお話させて戴きます。
「それじゃ〜困る」と言う人はスウィング・ガールズと言う映画で使われた練習方法を真似して下さい。

ブレスと言うと多くの方が息を吐く事ばかりに気持ちが向くのですがしっかりと吐く為にはたっぷりと息を吸わなければなりません。
空っぽのペットボトル(1リットル以上)を口に加えぺちゃんこになるまで息を吸う練習はこのトレーニングとして分かり易く効果もある練習です。

ブレス・コントロールが出来ない人がたっぷり息を吸うと息を吐く時にお腹で支えられず一気に息が出てしまいます。
楽器に入る息には限度があります。このままでは演奏出来ません。
これを止める為に堅いリードを付け、更にリードに圧力を加えて(マウスピースとリードの隙間を狭くして)抵抗を大きくしてコントロールしている人も良く見かけます。
しかし、これもあまり良い方法ではありません。

ブレス・トレーニングとしてはガラス窓にティッシュ・ペーパーを当て、そこに息を吹きかけて落ちない様にする練習が効果があります。
この時長く息を続ける様に練習すると効果的です。

私の駄文で良く分からない人は是非スウィング・ガールズを観てみて下さい。

アンブシュアの力が抜けブレスが鍛えられたところでタンギングの練習です。
速いタンギングができない(その2)を読んでみて下さい。

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