あがり症の克服 [メンタル]

コンサートや発表会等人前で演奏する際”あがって”しまう方は結構います。
皆さん信じてくれないのですが私も”あがり症”なんです。

あがり症を気にする方は”あがって”しまうと実力が発揮出来ないと思っているのではないでしょうか。
実際”あがる”と普段間違えない様な場所を間違えたりする事もあります。
しかし、これは”あがった事”が直接の原因ではなく”あがった”自分を何とかしようとして一時的なパニック状態になっている事が原因である場合が少なくありません。

音楽大学時代(悪い先輩が?)本番前に緊張している私に「これ飲んでみるか?」と精神安定剤を飲ませてくれた事があります。
確かに緊張もせず”あがる”事も無く演奏出来たのですが、薬の為集中力が無くなり演奏にならなくなってしまいました。
一番困ったのが冷静でいる為に沢山の方が自分の演奏を聴いていると言うストレスに耐えられない事でした。
また、その時はソロではなかったので何とかなりましたがプログラムの後半になると演奏する事が苦痛にも感じて来ました。

やはり適度な緊張や”あがる状態”と言うのは必要なのです。

まずは”あがる事”は必要であり自然であると考えてみては如何でしょうか。
そうする事で「どうしよう。」と言う不安や一時的なパニックを大分克服出来るはずです。

しかし、それでも極度の緊張感の中では「頭が真っ白」になる様な事が少なくありません。
やはり不安になり緊張し”あがって”しまいます。

これの克服には暗譜をお勧めします。
例え頭が真っ白になったとしても楽譜を見失っても”指が勝手に曲を吹いている”とか”暗譜しているから演奏は出来る”と言う安心感は大きな助けになるはずです。

こう言う事を言うと「暗譜苦手なんですよ。」と答える方が沢山います。
暗譜は”能力”ではなく”慣れ”が必要です。
暗譜をした事が無い人は慣れていないので苦手なのです。苦手な人は楽譜をみて演奏するので益々暗譜に慣れる機会が減り苦手になって行くと言う悪循環が続くのです。

まずは練習から暗譜を取り入れてみましょう。
暗譜が苦手な人は短いフレーズ(2〜3小節)を練習する場合でも楽譜を見つめて練習しています。
これ位なら覚えられるはずですから暗譜して練習してみましょう。
別のフレーズを練習する時に忘れてしまって構いません。
とにかく楽器を吹く時は極力楽譜を見ない様にするのです。
これを繰り返す間に段々暗譜に慣れて来ます。

慣れて来たら長めのフレーズやメロディー(8小節以上)を暗譜で吹いてみましょう。
この時思い出せない箇所や間違えてしまった時にすぐに楽譜を見ない事がポイントです。
頭に浮かんでいるフレーズやメロディーを手探りで捜してみましょう。
これを繰り返す事で音譜が分からなくてもフレーズやメロディーが吹ける能力(ソルフェージュ能力)が向上して行きます。

つまり”あがって”吹けなくなる事も技術が未熟だったと考える事が大事なのです。
「吹けていたのに”あがって”吹けなかった」と考えると悔しいでしょうが、「練習不足だったから”あがって”吹けなくなってしまった」と考えると次ぎに繋がって行くはずです。

この場合の練習不足とは”技術的に吹けていない”と言う事ではなく”曲が自分の物になっていなかった”と言う意味です。
自分の物にする為には暗譜をし、音譜を考えずに吹ける迄練習する必要があるのです。


中には緊張したり”あがって”しまって手や足が震えてしまう人がいます。
私もこのタイプです。

この場合はしっかり練習していても曲を自分の物にしていても(身体が思う様に動かない訳ですから)演奏に支障が出ます。
これの克服には自分だけの”おまじない”を作る事です。

スポーツ選手の中には試合に臨む時に決まったポーズを取る人が少なくありません。
イチロー選手がバッターボックスに入る時のポーズや桑田投手がマウンドで行っていたポーズ等がそうです。

自分で「緊張して来たらこれをすれば落ち着く」と信じられる”おまじない”を作るのが良いと思います。
経験では足が震える人は足を動かす動作(軽い屈伸、片足立ち、数歩歩く等)が、手が震える人は手を動かす動作(手をぶらぶらする、グーパーする等)が良い様です。
他にも非常口の”看板を見つめる”とか”ステージの照明を見上げる”等演奏会場に必ず有るものを見るとか、”ハンカチで汗を拭くと落ち着く”とか”身に付けたブレスレットを触ると落ち着く”等小道具を使うのも良いと思います。

色々と考えて自分に合った(一番信じられる)おまじないを作ってみて下さい。


そして目標は「あがらない事」ではなく「あがった方が良い演奏が出来る」と思える様になって行く事です。

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チューナーでは音を合わせられない [定説を考える]

最近は小型で高性能なチューナーが沢山販売されています。

この高性能なチューナーを使って音を合わせたのに実際に音を出してみたら音が合わないと言う経験をした方は多いのではないのでしょうか。
実はこれには理由があるのです。

金管楽器の人は良く知っていますが楽器の音には倍音と言う物が含まれています。
金管楽器の人達が同じポジションで幾つも音が出せるのは倍音の中で響く音を切り替えていると考えると分かり易いと思います。

Saxの場合も倍音を利用しています。
オクターブ・キーを押してオクターブ上がる時も倍音を切り替えているのです。
アルティシモ音域を吹く時やフラジオを吹く時も倍音を利用しています。

この倍音は(一番響いている音に消されて)普段は聴こえない様な気がしますが、正しく響いている時はいつも鳴っているのです。
実はこの倍音がチューナーに誤動作を起こさせる事があるのです。


これからは私の経験からの話なのですが、チューナーは倍音が物理的に正しく(バランス良く)鳴っている時に正しく表示するようにセッティングされている様です。
音程のある殆どの楽器が(管楽器、弦楽器etc.)正しく響いている時は同じ様に倍音が鳴るのでセッティングとしては問題ないのですが、チューナーを多用する人達の多くが初心者と言う事が問題になります。

初心者の多くは楽器をしっかりと鳴らせないかバランスが悪い状態です。
この様な状態でチューナーを使うと誤動作が起きるのです。
つまりチューナーでは合っているのに実際に音を出してみると音が合わないと言う事が起こるのです。

これは吹いている人が疑問を持つのでまだ良いのですが、チューナーで音が合う人の中にも問題を抱えた人がいます。
倍音が殆ど鳴っていない人です。
この様な人はチューナーで音が合えば実際の音も合うので一見問題が無い様に思えますが、倍音が鳴っていないと言う事は音に響きが無く高音も(無理な吹き方をしないと)出ないと言う事です。
この様な方はいくら練習しても中々上達しません。


やはり音に関しては耳で合わせる事をお勧めします。
チューナーもメーターを見て合わせるのでは無く実際に音を出してそれに合わせる練習をした方が耳も鍛えられますし、コントロール能力も身に付きますので実践的です。
そしてコンサートやCDで良い音を沢山聴く様にして下さい。

チューナーはそのサポート程度に使った方が効果的です。

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楽器を揃えると音も揃う? [定説を考える]

音を揃えると言う理由で楽器やマウスピース、そしてリードまで揃えてしまう話を良く耳にします。
では楽器を揃えると本当に音は揃うのでしょうか?

この答えを出すのは非常に簡単です。
皆さんが使っている楽器を二人以上のプロの方に吹いてもらって下さい。


まず驚くのが「これ自分の楽器?」と思う位楽器が鳴っている事でしょう。
そして別のプロに吹いてもらうと同じ様に楽器は鳴っているのに音色が違う事に驚くと思います。

つまり楽器の音色は演奏者個人が作るものなのです。
楽器を揃えても音色が合うと言う事はありません。

明るい音色を持った人が吹けばどんな楽器も(傾向として)明るめの音になって行きますし、柔らかな音色を持った人が吹けばどんな楽器も(傾向として)柔らかめの音色になります。

もし音色を揃えるのであれば明るめの音色を持った人には暗めの音色の楽器、柔らかな音色を持った人には硬めの音色の楽器、逆の人には逆の音色の楽器と言う様に一人々々違う楽器になるのではないでしょうか?

少なくとも楽器を揃えれば音色が揃うと言う事は無いと思います。

そもそもアンサンブルとは色々な音色の楽器を組み合わせて作って行く物です。
バランス良く鳴っていれば音色は違った方がアンサンブルをする上でメリットがある事も少なくありません。
ですから音色を(必要以上に)揃える事に神経質になる必要は無いと思います。


では音程はどうでしょう?
これはプロが楽器の選定(同じ機種)をしているところを見せてもらったり、自分と同じ機種の楽器を何本か吹いてみればすぐに分かると思います。
同じ機種ならば音色の傾向は似ていますが、音程に関しては楽器毎に皆違うハズです。

つまり楽器を揃えても音程が合うと言う事はありません。

仮に音程が全く同じ楽器が有ったとしましょう。
これらの楽器でユニゾンを吹けば音程は合うでしょうが、音域が違ったり(オークターブが違ったり)ハーモーニーになれば全く意味が無くなってしまいます。

それにアンサンブルをする際同じ種類の楽器だけで吹く事はありません。
サックス・アンサンブルでもソプラノからバリトン・サックス等同族でも違う種類の楽器を使いますし、吹奏楽では木管、金管、打楽器等沢山の種類の楽器でアンサンブルをする事になります。
一部の楽器の音程を合わせても意味がないのです。

音程は楽器が作るのではなく演奏者が状況に応じてコントロールするものなのです。


音程や音色を揃える為には一人々々の楽器コントロールが大切なのです。
その為には一人々々がコントロールし易い楽器を持つ事が大切になります。
これを強制的に揃えてしまうと人によってはコントロールがし辛い事も起こります。
コントロールし辛い楽器では音色も音程も合わせる事が難しくなってしまいます。
更に合っていない楽器、マウスピース、リードで身体を壊す事もあります。

そろそろ(安易な理由で)楽器を揃えると言う事はやめて欲しいと思っています。
プロが指導するのであれば楽器を揃える事を強制するのではなく、楽器をバランス良く鳴らし音程や音色をコントロールしアンサンブルする技術を教えて頂きたいと思います。

また、趣味で音楽を楽しむ方々にはそれぞれ事情があります。
音を揃える為と言う名目で高価な楽器を無理矢理購入させる様な事はヤメて頂いたいと思っています。
そんな事をしなくても音色や音程は合うのですから…

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速いタンギングができない(その2) [トレーニング]

速いタンギングができない(その1)は読んで頂けたでしょうか?
では続きです。

アンブシュアの余計な力が抜けたところでやっとタンギングのトレーニングなのですが、今回は速いタンギングが出来ない場合のトレーニングですので更に無駄な動きが無いかチェックしてみましょう。

タンギングの無駄な動きで多いのが顎の動きとブレスの動きです。
ゆっくりしたタンギングや音にニュアンスを付けながら行うタンギングの場合は顎の動きやブレス・コントロールも併用するのですが、これらを上手にコントロールする為にも(まずは)無駄な動きが少ないシンプルなタンギングを身につける事は大切です。

顎の余計な動きで一番多いのが”噛む様な動き”です。
音を止めたい時に顎でリードに圧力を加えリードをマウスピースに圧着させて音を止める様な吹き方をしている方を非常に多く見かけます。
この様な吹き方をしている人は音の出だしに「キュッキュッ」と音がしたりタンギングの時にリードミスをする事が多くなります。
タンギングも歯切れが悪くなりますし、顎は速い動きに付いて来られないので速いテンポにも対応出来ません。


顎の余計な動きと同じ位多いのが音を止める時に息も止めてしまう吹き方です。
完全には止めていなくても「フッフッ」と音を切る度に息を吹き込む様になる方も多く、これも速いテンポには対応できません。


タンギングの練習に向いているのがレガート・タンギングです。
レガート・タンギングは(聴こえ方が)非常に柔らかく、音を止める時間が非常に短いタンギングです。
舌の素早い動きが必要な上(音を止めている時間が短いので)顎やブレス等の余計な動きも把握し易くなります。

スタカートの方が派手で目立つ為か、難しいと思っている方が多い様ですが、技術的にはレガート・タンギングの方が遥かに難しいのです。
レガート・タンギングが出来ればスタカートはすぐに出来る様になります。


ではレガート・タンギングの練習方法の一例をお教えしましょう!

まず楽な音量(mf)でロングトーンをしましょう。
音を出すときのタンギングは必要ありません。息の音からクレシェンドする様に音を出します。
音はシ(左人差指)の音から始めると良いと思います。

アンブシュアに力が入っていない事を確認ながらロングトーンをし、音を出しながら1回リードを舐める様に素早く舌で触ってみます。
舌を動かす時「ル」の発音を意識すると良い事が多い様です。
「フーーーーーールーーーーーーーー」と書くとイメージが湧くでしょうか?

レガート・タンギングの場合はリードの振動をしっかり止める必要がないのでリードに舌が触るか触らないかと言う感じです。
上手く行けば音が途切れる事無く(音に印を付ける様な)柔らかなレガート・タンギングが出来るはずです。
最初は舌がリードに当たらず”空振り”する事も多いかもしれませんが、余計な力が入るよりは”空振り”の方が良いと思います。


タンギングの際顎で圧力をかける癖がある人は「舌を動かそう」と思った時から顎に力が入り音が詰まって行きます。
酷い場合は音が止まってしまう事もあります。
また、タンギングの際ブレスをコントロールしてしまう癖がある人はタンギングをしようとした際息が止まってしまったり、タンギングが出来なくなってしまいます。

後は出来る様になる迄何度も練習するしかありません。
この時(前述していない事で)大切なのはタンギングは1回だけにする事です。
連続して「ルルルル」とタンギングしてしまうとすぐにいつもの癖が出てしまいますし、その癖が出ている事も把握が難しくなります。
最初は1回だけレガート・タンギングを「決める」事に集中しましょう。

これが出来る様になったら「シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ」と練習する管体を長くして行きます。
そしてオクターブ・キーを押し「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」と上がって行きます。

この時も1回だけレガート・タンギングを「決める」事に集中しましょう。


これが出来る様になったら1回のタイミングで2回レガート・タンギングをしてみます。
「フーーーーーールルーーーーーーーー」と書くとイメージが湧くでしょうか?

これからは1回のタイミングでするタンギングの回数を増やして行きます。
「フーーーーーールルルーーーーーーーー」
「フーーーーーールルルルーーーーーーーー」
「フーーーーーールルルルルーーーーーーーー」と言う感じです。

これを続けて行く事(数ヶ月)でタンギングは確実に速くなって行くはずです。




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速いタンギングができない(その1) [トレーニング]

楽器の音の切り方には色々な奏法があります。
その中で一番良く使われるのが「タンギング」です。

舌(tougue)で音を切るのでタンギングと言います。(多分)
ロングトーンと同じ様に楽器を鳴らしておき、舌でリードの振動を止める事で音を瞬間的に止るのがタンギングです。


タンギングが苦手な人の原因で一番多いのが「力の入れ過ぎ」です。
顎、喉等アンブシュア周りの筋肉に力が入り過ぎて舌が硬直して動かないのです。

この様な方がタンギングの練習ばかりしても上手になる可能性は非常に少ないと言えます。
まずはアンブシュアの力を抜く事から始めなければなりません。

アンブシュアに力が入る原因として考えられるのは「その人に取ってリードが堅過ぎる」場合と「ブレスが弱い」場合が多く、その両方の場合も少なくありません。


いつも下唇が痛かったり切れる様でしたら明らかに力の入れ過ぎです。
もし大きく口を開けた時に顎が痛い場合は顎関節症になっている可能性もあります。
病院に行って検査(必要があれば治療)してもらい早急に奏法を改善しなければ大好きなSaxが吹けなくなる事もあります。
是非注意して下さい。

この様な場合は柔らかなリードに変えて下さい。
力が入っている人が柔らかなリードで吹くとマウスピースにリードがくっ付いて音が出なかったり、音がビービー汚くなったり、高い音が低くなったり(出なかったり)します。
標準のマウスピースを使っている場合は2半の堅さのリードで低音から高音迄奇麗な音でロングトーンが出来る様になる迄が目安です。
アンブシュアのコントロールで半音程度音程が変えられれば完璧です。



標準のマウスピースに2半以下の堅さのリードを付けても(アンブシュアに力を入れなければ)音が出ないとしたらブレスが弱い可能性が高いです。
この様な場合はブレス・トレーニングをしなければなりません。

良くブレス・トレーニングとして腹筋運動をしている光景を見かけますが、腹筋運動ではブレスは鍛えられません。
ただ楽器を吹く為には下半身の支えは大切ですので腹筋運動は必要です。しかも、Saxは身体の前で構えますので楽器を支える為には背筋も鍛えておく必要があります。
腹筋以上に背筋を鍛えて下さい。

ブレスを鍛える為にはブレス・トレーニングが必要なのですがこれは別の機会に改めてお話させて戴きます。
「それじゃ〜困る」と言う人はスウィング・ガールズと言う映画で使われた練習方法を真似して下さい。

ブレスと言うと多くの方が息を吐く事ばかりに気持ちが向くのですがしっかりと吐く為にはたっぷりと息を吸わなければなりません。
空っぽのペットボトル(1リットル以上)を口に加えぺちゃんこになるまで息を吸う練習はこのトレーニングとして分かり易く効果もある練習です。

ブレス・コントロールが出来ない人がたっぷり息を吸うと息を吐く時にお腹で支えられず一気に息が出てしまいます。
楽器に入る息には限度があります。このままでは演奏出来ません。
これを止める為に堅いリードを付け、更にリードに圧力を加えて(マウスピースとリードの隙間を狭くして)抵抗を大きくしてコントロールしている人も良く見かけます。
しかし、これもあまり良い方法ではありません。

ブレス・トレーニングとしてはガラス窓にティッシュ・ペーパーを当て、そこに息を吹きかけて落ちない様にする練習が効果があります。
この時長く息を続ける様に練習すると効果的です。

私の駄文で良く分からない人は是非スウィング・ガールズを観てみて下さい。

アンブシュアの力が抜けブレスが鍛えられたところでタンギングの練習です。
速いタンギングができない(その2)を読んでみて下さい。

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Saxは木管楽器?それとも金管楽器? [雑学]

管楽器には大きく分けて木管楽器と金管楽器の2種類があります。
以前は木で出来ている(元々は木で出来ていた)楽器を木管楽器、金属で出来ている楽器を金管楽器と呼んでいました。

これで殆どの楽器を分類する事ができました。
フルートは金属で出来ていますが木管楽器です。
これは元々は木で出来ていましたし今でも木管のフルートもあるので上記の定義に当てはまります。

さて、Saxの場合はどうでしょう?
Saxの形や運指はクラリネットやオーボエ等と似ています。
クラリネットやオーボエは木管楽器なので木管楽器でしょうか?

Saxは最初から金属で出来ていましたし今でも金属で作られています。
それでは金管楽器でしょうか?

どちらとも言えないので「中管楽器だ!」なんて冗談を言う人もいます。[わーい(嬉しい顔)]


現在は木管楽器と金管楽器の分類は楽器の材質の違いではなく楽器の構造でしています。

管の長さをスライドやピストン(バルブ)等で直接変化させて音の高さを変える楽器を金管楽器と呼び、管体に穴を開け、その穴を塞いだり開けたりして音の高さを変える楽器を木管楽器と呼ぶのです。

この分類ですと現在使われている管楽器の全て(私が知る限り)はっきりと分類する事ができます。
Saxは管体に開けた穴を塞いだり開けたりして音の高さを変えるので木管楽器と言う事になります。

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ブログの内容について [このブログについて]

私の経験及びレッスン理論は初心者の方には勿論プロの方にも評価を受けています。
我が家には奏法にトラブルを抱えた音大生やプロの方々が度々訪れますが(今の所)皆さん良い結果が出ています。

しかし、今一般的な理論と矛盾する事も多く私の考え方にアレルギーを持つ専門家も少なくありません。
中々多くの人達に知って頂く事は難しいのが現状です。
音楽大学等に奏法を研究したりトラブルを抱えた人達の奏法の矯正法や治療法などを研究するセクションが出来れば良いとは思うのですがこれも難しそうです。

そこで喜んで頂いた多くの方々から「もっと沢山の人達に知ってもらいたいので本にして欲しい。」と10数年前から依頼を受けていました。
このブログを読んで頂ければ分かると思いますが、私は文章を書くのが苦手です。
中々音楽の様には行きません。

1冊の本になる程のアイデァはありますしメモも書き留めてはいるのですが中々「本」と言う形にはなりませんでした。

そこでブログと言う形で書いて行き多くの方々に知って頂こうと思っています。
その結果本になればそれで良い様に思っています。


文章の得意な方に添削して戴けると嬉しいですし、分かり辛い文章や取り上げてもらいたい項目などご連絡頂ければ助かります。
ただ、内容に関しては現在主流の理論と違う部分もありますので疑問を持つ方も多いと思います。
その件に関する議論は避けたいと思っているので納得行かない方は無視して戴ければ幸いです。
タグ:趣味 SAX
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初心者に良いリードは? [リード]

生徒さんに良く「リードは何が良いですか?」聞かれますが、これは結構答え方が難しいのです。
何故ならリードは目的や様々な条件を考慮して選ばなければならないからです。
単純に「○○の△番が良いですよ。」とは答えられないのです。

現在は複数のメーカーから数えきれない程の種類や堅さのリードが販売されています。
もし”良いリード”と言う物があるのであればこれだけの種類のリードを販売する必要は無くなってしまいます。
これらのリードは必要があって販売されているのです。
悪いリードや使えないリードはありません。


趣味でサックスを楽しむ方々の多くが「吹き易いリード」=「良いリード」と思っています。
吹き辛いリードで吹くよりは吹き易いリードで吹く方が色々な面で良いのは確かなのですが、吹き易さだけで選んでしまうと正しくリードを選べなくなってしまいます。

楽器の奏法同様リードの選び方を学ぶ事も上達の為には必要になります。

ただ、初心者の場合はブレスもアンブシュアも安定していませんのでリードを自分で選ぶ事は不可能に近いので「良いリードを知りたい。」と言う気持ちは切実です。

この様な場合、最近私はプラスチック・リードをお勧めしています。
温度や湿度に影響されませんし、寿命も木(葦)のリードの10倍以上あります。
そして個体差が無いのが一番の理由です。
クラシック用の標準のマウスピースを使っている場合はレジェールの2番あたりが良いでしょう。

ジャズ用の標準のマウスピースを使っている場合もレジェールは重宝します。
但しこの場合はスタジオ・カットの2番あたりが良いでしょう。

しかし正確に選ぶには実際に使っているマウスピース、楽器、顎の形、歯並び、体力etc.…様々な要素を考慮して選ばなければなりません。
先程お勧めしたリードの種類や堅さも状況で若干変化します。

この様にリードは目的に応じて使い分ける物なのです。
ですから各メーカーが色々な種類や堅さを用意してくれているのです。
ゴルフのクラブと同じだと考えると分かり易いかもしれません。

例えばゴルフ教室で「どのクラブが良いですか?」と聞かれ「ドライバーだね。」「他はダメだ。」と答えるプロはいません。
しかし「初心者なのですがどのクラブから始めれば良いですか?」と聞かれれば話は別です。
その人の体格やスゥイングの癖等から1本を選ぶのは簡単です。

但し最終的には全てのクラブを使える様にする必要があります。


リードも同じです。
その人が上達する為に良いリードを正しく選んであげるのも私達プロの仕事なのです。
ですから正しくリードを選んだ場合は一人々々リードの種類や堅さは変わってしまいます。
初心者から上級者まで自分の好みのリードだけを押し付ける様なプロのアドバイスには注意して下さい。
自分に合わないリードを押し付けられ中々上達しないだけでなく身体を壊す方が非常に沢山いるのです。

近くにアドバイスしてくれる方が居なくてリードに困ったら「ちょっと柔らか過ぎるかな?」と言うリードを使う様にして下さい。
こう言うと「柔らかなリードは音がビービーして汚いから嫌だ。」と言われます。
これはリードの問題ではありません。

柔らかなリードはコントロール性に優れています。
良い奏法を身に付けている人が吹けば良い音が出ますが、そうで無い場合は中々良い音が出ません。
もし、柔らかなリードで音が汚くなるのでしたらまだ良い奏法が身に付いていないと言う事です。

また、柔らかなリードは身体に余計な負担をかける事が少なくて済みます。
負担が少なければ余計な力を入れなくて良いので奇麗なフォームを作り安いですし、必要の無い身体のトラブルを避ける事もできます。
フォームが出来て(楽器用の)体力が付いて来た所で堅いリードを試してみれば良いのです。


最初は1種類のリードから初めても最終的には色々なリードを使い分けて演奏する必要があるのですから、最初は自分にとってメリットが多いリードからスタートした方が良いと思います。
知識が有る方に目的に合ったリードを選んで頂く事が理想ですが、近くにそう言う方が居ない場合(少なくとも)身体に極度の負担をかけるリードを使う事だけは避けて下さい。

追記
このブログを投稿後レジェールから新しいシリーズのシグネチャーが発売されました。
この場合は2半から試してみる(旧タイプは2)と良いと思います。

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音感がない [楽器を始める前]

楽器は演ってみたいけど「音感がないので…」と尻込みする人も少なくありません。
こう言う方がイメージしている音感の多くが”絶対音感”と呼ばれる物です。
コップを叩いて「これはファだ。」とかサイレンを聞いて「ラの音だ。」とか言う音感です。

多くの方がこの音感が音楽家の音感だと思っている様ですが実はそうでも無いのです。

サックスを始め多くの管楽器が”移調楽器”と呼ばれる楽器です。
移調楽器ではそれぞれの楽器の「ド」が「ピアノのド」とは違う高さの音になるのです。
サックスの場合次の様になります。

 ソプラノ・サックスの「ド」→ピアノの「シb」
 アルト・サックスの「ド」→ピアノの「ミb」
 テナー・サックスの「ド」→ピアノの「シb
 バリトン・サックスの「ド」→ピアノの「ミb」
※b=フラット

絶対音感を持っている人が移調楽器を吹いたら気持ちが悪くて仕方がないでしょう。
この様な事からも(少なくともサックスに関しては)絶対音感は必要ありません。

最近の楽器は良く出来ています。
音感の足りない部分は楽器(サックス)や機械(チューナー)に助けてもらいましょう。

カラオケで曲が分かる程度に歌える音感があればサックスも問題無く演奏できますよ!


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楽譜が読めない [楽器を始める前]

楽器を始める前に挫折してしまう方も結構居ます。
その中で一番多い理由が「楽譜が読めないから」と言う物です。

中学校で英語の勉強をする時最初にアルファベットを習います。
音楽も同様に考えるので楽譜が読めない事が楽器を始める為のハンディと考えてしまうのかもしれません。

楽器を演奏する事と楽譜が読める事は全く違う能力を必要とします。
音楽を仕事とする人は楽譜を読みながら演奏出来なければなりませんが趣味で楽器を楽しむ場合は”数えればドレミが分かる”程度で大丈夫です。

趣味で音楽を楽しむ場合はは同じ曲を何度も何度も繰り返して練習する事が出来ますし、技術的に足りない部分を補う為にも反復練習は必要になってきます。
最初は楽譜を見てもチンプンカンプンかもしれませんが、何度も練習して行く間に”その曲の楽譜”なら何となく読める様になっていきます。
楽器を演奏する時に大事なのは楽譜が読める事では無く、自分が好きな曲をカッコ良く吹く事なのです。

楽譜は曲を忘れてしまった時思い出す為のヒントとして、長い曲を演奏する時流れをつかむ為、難しい音(運指)の場所の確認等、練習や演奏の際のサポートとして使えば良いのです。

楽譜が読めない方はレッスンをまるごと録音する事をお勧めします。
昔のカセット・レコーダーだと音程が変わってしまい約に立たない事があったのですが、最近のデジタル・レコーダーはその様な事はありません。
録音に合わせて一緒に吹いても音程がずれたりしないので大変便利です。
これを使って上手く出来なかった箇所や良く分からなかった部分を練習すると大変効率が良くなります。

先生の模範演奏を録音させてもらって通勤通学の際聴いたり、家事の間流しておいたりする事で曲の雰囲気や注意する所、自分が理解出来ていないリズム等把握出来る様になっていきます。
楽譜を見ながら模範演奏を聴くのも良い練習だと思います。

そう言う事を何年か続けていれば楽譜は自然に読める様になってきます。

楽器や音楽の経験が無い方が楽譜を読めないのは当たり前の事なのです。
しかし、これが楽器を楽しむ為のハンディになる事はありません。

まずは初めてみましょう!

タグ:趣味 saxophone
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